成長期を利用した矯正治療
成長期に治療をすると、歯を抜かない確率や手術をしない治療の確率が高まり、治療後の安定が良くなります。
開始時期については、不正咬合の症状によって異なりますが、当院では以下を目安としています。
※院長が寄稿した「今日の治療指針 2021年版ー医学書院の歯科・口腔外科疾患 不正咬合」 からの抜粋です。
受け口・あごのズレ→4歳後半、5歳から
ガタガタ・開咬→小学生低学年から
出っ歯→小学生中学年から
特に、「受け口・あごのズレ」については、将来的に外科的手術の可能性が高い不正咬合です。
乳歯反対咬合は,乳前歯が永久歯に交換しても、わずか1/20程度しか自然治癒しません。そのため、乳歯反対咬合の場合は、放置はせずに、速やかに治療を開始した方が良いです。
成長期は顎が成長し、歯並び・咬み合わせは常に変化しています。そのため、悪い咬み合わせを成長期に治療すれば、効率よく治すことができます。逆に放置すると、さらに悪くなってしまうのも成長期の特徴です。受け口、顎のずれ、出っ歯など、顎の骨に問題がある場合、成長を利用した装置で治療を行うことができます。大人になってからでも治療はできますが、顎の骨を切る手術、抜歯となるリスクは高まります。ガタガタは、成長期に顎の幅を広げることで、歯を並べるスペースを獲得することができます。大人になると、幅が広がらなくなるため、抜歯をして歯を並べることが多くなります。
しかし、「どうしても子どもの時に始めなければいけないのか?」と感じる方もいらっしゃると思います。もちろん大人になってからでも遅くはありません。大人になって治療される患者さんもきれいに治ります。ところが、「治療は大変だった」「もっと若い頃にこんなにキレイな歯並びだったら・・・」「もっと早く始めていたらこんな大変な思い(手術や抜歯など)はしなかったかもしれない」とおっしゃられます。これが本音です。このような患者さんは、ご自身のお子さんに同じ思いをさせないよう矯正を早い時期から始められています。
こんな場合はご相談ください
- 上の歯が出ている
- 口呼吸をしている
- 歯の隙間が気になる
- 永久歯が生えてこない
- 矯正治療のタイミングがわからない
- いつも口がぽかんと開いている